東京オリンピック(東京五輪)のエンブレムがA案に決定しました。デザイナーは、野老朝雄(ところ あさお)さんでした。
プロフィールと、市松模様の名前の由来を調べてみました。
・東京五輪エンブレム A案
*野老朝雄(ところ あさお)プロフィール
1969年 新宿区生まれ(東京都在住)
1992年 東京造形大学デザイン学科建築専攻卒業
1992年~93年 ロンドンのAAスクールに留学
1993年~98年 江頭慎氏に師事
911以降「繋げる」をテーマにする。
単純な原理に基づき定規やコンパスで再現可能な紋や紋様の制作を始める。
2012年 工学院大学125周年記念総合教育棟ファサードデザイン(設計:千葉学建築計画事務所)を担当
武蔵野美術大学非常勤講師(ファッション領域担当)(2003年~2016)
東京大学工学部建築学科 非常勤講師(2016年~)
◇主な展覧会
2010年「MOTアニュマル:装飾」(東京都現代美術館)
2014年「マテリアルライジング展Ⅱ」(東京芸術大学美術館陳列館)
2015年「単位展」(21_21 Design Site)
*TOKOLO Asao workshop “Playing with Patterns” in Aomori
出典:https://youtu.be/hoA82HHp55E
*野老朝雄+noiz “PPP Creatures Generator” (2016)
出典:https://youtu.be/tBDUOVxT9WM
*MOTアニュアル2010:装飾 野老朝雄 インタビュー
出典:https://youtu.be/WVMoS9j-QsI
幾何学模様でデザインをするのを得意としていますね。
でも、これらのビデオを見ていると、伝統を感じると同時に難しい!とおもいました。同時に専門家のデザインするデザインだ!とも感じました。
*大名古屋ビルヂングのデザインにも参画しています。
名古屋駅の真ん前に2016年3月にリニューアルオープンした「大名古屋ビルヂング」が建っています。こものデザインにも参画しています。
ビル下層のファサードガラスパターンのデザインを担当しました。
ファサードガラスとは、街路や広場などに面する建物の正面部分のこと。
大名古屋ビルヂングの下段の道路ぞいに面しているところですね。
写真をみると窓のガラス面が、格子状になっています。
ここにはまっているガラスですが、ガラスに三角形を集めて丸を描いたデザインが施されています。風車のような模様に見えます。
ここの、デザインのことをいっていると思います。
・大名古屋ビルヂング 全景
・大名古屋ビルヂング ファサードガラス面の紋様
写真の引用元はこちらです。
*東京五輪エンブレムは1回目の投票で過半数を獲得しました
A案は1回目の投票で過半数の13票を獲得しました。
ちなみに投票数は次の通です。
A案:13票
B案:1票
C案:2票
D案:5票
最終審査の1回目の投票で過半数を獲得したのでそのまま、すんなり決ったそうです。
A案は、市松模様をアレンジしました。
アレンジした模様は「組市松紋」といいます。
審査委員が評価したポイントは、
・クール
・シンプル
・日本の伝統を感じる
でした。
エンブレムに使われている藍色(あいいろ)は、日本伝統の色です。
この色は伝統色というだけではなく夏のオリンピックとの事でしたので、涼しげなデザインにしました。と野老さんは話されていました。
確かに4つのエンブレム候補のなかでは一番、日本を感じますし、他の国では出てこないアイデアだと感じます。
少々、地味に感じますが地味な中に粋が表現されています。そこが日本らしいと思います。
*市松の由来
佐野川市松という歌舞伎役者さんの着物の柄から名前が来ているそうです。
市松さんは享保7(1722)江戸中期の若衆形、女形の歌舞伎役者です。
着物の襟首のところの模様を模したところから、このような模様の名前が市松模様と言われるようになったそうです。
・佐野川市松の浮世絵
*最後に
これで、ごたごたが続いたエンブレム問題が解決しました。
マグカップや、キーホルダーにこのマークが使われるそうです。
ミヤネ屋で、試作品を作っていましたが、なかなかさまになっていました。夏場にこの涼しげなデザインを見るとまた、違った趣があると思います。
東京五輪、成功させたいですね。